心理士カウンセラーのブログ

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「起立性調節障害」がある「だから定時制という選択」

2022.12.01

この時期の中3生は高校進学が

本格化していますね。

そのなかでも今回のテーマは

「起立性調節障害」を抱えている生徒に

フォーカスしたいと思います。

朝、時間通りに起きることが難しい子の

高校選びは悩むことばかりでしょう。

起立性調節障害を抱えている子の

保護者の方でたまに聞くケースですが

その「問題」その「課題」を

単に朝、起きることができないだけ

だと見誤り、わが子を定時制高校に

送り出した結果、高校卒業が危うくなった

というケースの相談を毎年一定数お受けします。

例えば、定時制高校へ進学した

起立性調節障害を抱える子が

なぜ、定時制高校で

卒業が危うくなるのでしょうか。

具体的にご説明しましょう。

《定時制高校の3つの魅力とは》

さて、まずは定時制高校を

進学先としてしまう理由について

ご説明いたしましょう。

定時制高校には大きな魅力が

3つあると考えられています。

その3つとは

公立高校である

夕方や夜から授業がある

仕事をしながら毎日通える

です。

さて、公立高校というものは

何か絶対的な「保証」のようなもの

があるのでしょうか。

親が公立高校出身だからとか

中学校も公立だからとか

公立高校だと安心だからとか

そういった抽象的な理由で

高校選びをしていないでしょうか?

公立高校が全て悪いわけではありません。

しかし、中学校時代、小学校時代に

もし、子どもに「不登校傾向」が

あったのであれば

それは、「公立の学校」

という仕組みに対応しきれなくて

「不登校」になってしまった

可能性も否定できないのも事実です。

前々から伝えていることですが、

起立性調節障害の子どもの課題が

「朝、起きることができない」

だけであれば、中学校や小学校に

毎日、午後から登校できることになります。

でも、もし毎日午後から

小中学校に登校できていないのであれば

それは、もしかしたら

「授業時間」だけが問題ではないのかもしれません。

「授業時間」だけが課題だと思った結果、

進学した「定時制高校」でも

不登校になるケースを考えておいたほうがよいでしょう。

《定時制高校の3つの落と穴》

では、ここでいう起立性調節障害を持つ

生徒が、授業時間以外の何?が問題で

進学した「定時制高校」を

不登校になってしまうのでしょうか。

定時制高校での落とし穴

3つあります。

その3つとは

20~30名での集団授業

公立高校ならではの出席基準

公立高校ならではの授業進度

です。

小中学校において

なんらかの理由で

学校に通えなかって子どもは

クラスでの授業を

受けていません。

安易に定時制高校に進学すると

まずは、皆、久し振りの

「集団授業」に戸惑います。

いざ、久し振りに集団に入ると

クラスという集団の中で

「自身はどう振る舞えば良いのか」

が分からなくなっているのです。

お友だち同士での

1対1や1対2での会話だと

全然、大丈夫だったのに

20人クラスや30人クラスの中の

入った瞬間、

自分がどう振る舞えば良いのか

分からなくなるケースが多いようですね。

そして、そういったプレッシャーから

メンタルを病んでしまい出席できず

退学からの転入してくる話も

毎年一定数あります。

《公立高校の出席基準》

定時制高校とはいっても

公立は公立です。

単位を修得するための

出席基準は普通にあります。

例えば、4単位の

国語の授業があったとします。

その4単位とは

1週間に4回ある国語の授業に

3分の2以上

出勤しないといけない

というものです。

その3分の2というのは

1年間通じてになるのです。

大原則として【高校は、義務教育ではない】

例え、体調不良などの事情があったとしても

保健室登校をしていたとしても

高校は授業に出ていなければ「欠席」

なのです。

午後から、

もしくは夕方からの授業であればは、

3分の2以上、

必ず集団授業に出席は必須条件であり

※小中学校の勉強は定着?出来ているか?

も問われます。

定時制高校も全日制高校も、通信制高校も

高校は高校です。

高校生の教科書を使った授業が

毎日、行われていきます。

その高校の授業は当たり前ですが

小中学校の学力の上で

成り立っています。

例え、入試で合格したとしても

それは中3の入試時の学力であって

スタート地点になります。

そこから日々の授業に

ついていく必要があるのです。

当然、欠席したとしても

個別に補習などはやってくれません。

そして、学年制である定時制高校は

1単位でも落としたら

即「留年」となります。

《高校は入学が目標ではありません》

※起立性調節障害は治る病気です。

思春期を完全に脱した時に

完治すると言われていますが、

それが、いつなのかは

定かではないのです。

高1で治るのか

高2で治るのか、

それとも高3で治るのか。。。

誰にも分からないのです。

そんな分からない状況で

「高校卒業」という賭けに

出てしまうのでしょうか。

心理士という立場からいうと

まずは、子どもの病気の「治療」が

先ではないでしょうか。

ストレスをかけない状況下で

安心できる状況下で

ゆっくり治療に専念してもらう、

それがベストではないしょうか。

もし、どうしても定時制高校に

進学したいのであれば

それは病気が治ってから

考えれば良いのです。

それからでも遅くはないのです。

松陰高等学校 高松校・丸亀校では

起立性調節障害の生徒たちをはじめ、

様々な生徒が持つ悩みを理解し、寄り添う

勉強会を取り入れています。

もちろん入学時に起立性調節障害を持っていた

生徒も大学進学や就職を手にし

高校を卒業させている先生がいます。

どうやって卒業していったのかを

詳しくご説明しています。

興味がある方は

是非、一度、松陰高等学校 高松校・丸亀校を

訪ねてみてくださいね。

《最後に…》

松陰高等学校 高松校・丸亀校では

WISC-Ⅳ(ウィスク4)の検査や

WISC-Ⅴ(ウィスク5)の検査結果を元に 

お子さんにとっての

最善な教育環境や指導方針を組み立てています。

また、ご希望の方は、松陰高等学校 高松校・丸亀校でも

WISC-Ⅳ検査を実施しています。

どんな子どもでも

さまざまな特性があります。

その特性は

子どもを苦しめるだけではなく

使い方を変えれば

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いつでもお気軽にご連絡ください。

お待ちしております。

また、WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査を

ご自身でとれるようになりたい人は

WISC-Ⅳ検査の取り方も

お教えしています。

その場合もお気軽にお問合せください。

では。。。

松陰高等学校 高松校・丸亀校

☎087-813-3781

✉info@kagawa-mirai.jp

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