心理士カウンセラーのブログ

Psychological counselor Weblog

【場面緘黙(ばめんかんもく)って知っていますか?】

2023.01.16

家では普通に会話もできる。

時には兄弟げんかもする。

静かどころか

むしろ、よくしゃべる。

でも、学校では一言も話せない。

一緒にいる

友だちのような子はいるけど

全く会話はしない…

ただ、そばにいるだけ。

最近、そんな子どもが増えている事をご存じですか?

家ではしゃべり過ぎるくらいなので

保護者面談などで

「場面緘黙(ばめんかんもく)」の疑いを

話すと驚く親御さんばかり。

では、「場面緘黙(ばめんかんもく)」は

いったい何が原因で

どう対応していけば良いのでしょうか。

詳しくご説明致しましょう。

【場面緘黙って病気なの?】

「場面緘黙(ばめんかんもく)」は

昔は病名ではありませんでした。

不安からくる緘黙(かんもく)“状態”

昔は“状態”なので病気ではない、

とされていたのです。

しかし、医療現場での

診断基準である最新のDSM-Ⅴからは病名となり

その病名は「選択性緘黙」となりました。

もちろん診断は医師のみができますが、

ある特定の場所での緘黙(かんもく)が

1ヶ月以上継続される時に

診断される場合が多いようです。

選択性と記載があるのは

“言葉が出ない場面”が「その人によって異なる」

からです。

全ての場面で言葉が出ない場合は

「全緘黙(ぜんかんもく)」となり

「場面緘黙(ばめんかんもく)」とは異なる

アプローチが必要です。

【場面緘黙の原因ってあるの?】

場面緘黙(ばめんかんもく)の原因は

実ははっきりとは分かっていません。

しかし、原因と予想される多くが

「声を出す場面の失敗」

だと考えられています。

場面緘黙(かんもく)である

とある男の子は

小学4年のある日

隣りに座る女の子に

「君の声ってちょっと変だね」

と言われたことがキッカケで

声を出すことを止めました。

とある中学生の女の子は

大好きな先輩の前であがってしまい

普段とは全然違う口調で

変なことを口走ってしまったのです。

そして、自己嫌悪の中で

声を出すことを止める決心をしてしまったそうです。

どちらの例も

当事者以外からすると

「そんなことで声を出すことを止めたの?」

と不思議に思うかもしれません。

しかし、当事者にとって

何事にも耐え難い

大きな出来事だったのです。

【声を出していないとどうなるのか?】

素朴な疑問として

声を出すこと止めてしまった子どもは

その後、一体どうなるのでしょうか?

言葉を忘れてしまうのでしょうか?

いえ、言葉を忘れるということは

まず、ありません。

なぜなら「聞く」という行為は

残り続けるからです。

では、話し方を忘れてしまう、

ということはないのでしょうか。

先日、東京都内のクリニックの

言語聴覚士さんに

場面緘黙(ばめんかんもく)について

尋ねてみました。

結果、人は声を出し続けていないと

声を出すために使用する「声帯」が

萎縮してしまい

出そうと思っても

声が出ないようのなってしまう…

ということです。

声帯が縮こまった状態で

もし、声を出そうとすると

一体、どうなってしうのかとも

言語聴覚士さんに聞いてみました。

すると、こんな回答が返ってきました。

声帯が機能しにくい状態を周りが

理解してあげようとせずに

声を無理矢理に出そうとした場合、

アニメ映画である

「千と千尋の神隠し」

に出ている「顔ナシ」にように

「あっ、あっ」としか

声が出せなくなるそうです。

【場面緘黙(ばめんかんもく)は治る?】

では、「場面緘黙(ばめんかんもく)」の

治療方法というものは

存在するのでしょうか?

結論として医療の場で現在、

「場面緘黙(ばめんかんもく)」

に対しての

有効性な治療方法は

「ない」とのことです。

しかし、対策はあります。

まずは、不安をやわらげる薬を

服用する、ということです。

場面緘黙(ばめんかんもく)は

声を出す場面での「過度な不安」

から来るものとされています。

その不安を薬で軽減するということです。

そして、もう一つが

その子が心から安心できる居場所、

リラックスできる居場所で

なんでも好きなことを言える状況を作る、

でしょう。

高校生であれば

普通の全日制高校では

どうしても「普通」

すなわち「他の人と同じ」を

強要されてしまいます。

しかし人は皆、それぞれ違う存在です。

姿形だけではなく

考え方、そして話し方も異なります。

その人との「違い」を

柔軟に受け止めることができる環境が

「場面緘黙(ばめんかんもく)」の子どもには

必要となるのです。

「場面緘黙(ばめんかんもく)」で

苦しんでいる子がいたら

是非、安心できる居場所を

探してみてくださいね。

【場面緘黙の子どもが安心できる居場所】

松陰高等学校 高松校・丸亀校では

「場面緘黙(ばめんかんもく)」を抱える子が

安心して過ごすことができ、

かつスモールステップで声を出すことできるよう

学校全体としてサポートをしています。

どのような居場所なのか気になる方は

是非一度、松陰高等学校 高松校・丸亀校を

見学してみてくださいね。

どんな子どもでも

さまざまな特性があります。

ただし、その特性は

子どもを苦しめるだけではなく

使い方を変えれば

大きな武器になります。

松陰高等学校 高松校・丸亀校

☎087-813-3781

✉info@kagawa-mirai.jp

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