発達障害のある生徒への支援

発達障害をもつ中高生のキミと、そのご家族の方へ

発達障害をもつ中高生のキミと、そのご家族の方へ

近年、香川県内だけでなく全国的に発達障害のある中高生、学習障害がある中高生、グレーゾーンかもしれない中高生の進路選択に通信制高校を選ぶ方が増加傾向にあります。
実際に中学校の卒業が近付いてきたら、どのような進路に進むか、考える時がくるでしょう。

私たちは姿かたちが皆違うのが当たり前なように、得意不得意にも個人差があります。ひとりひとりの得手不得手は、時には日常生活に支障を来したり、現状のままでは、社会への適応に不安が残るようなとき、その状態は広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群)や、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの症状で呼ばれたりします。

発達障害について正しい知識がなければ、本人の努力不足や、親を中心とした家族や関係者の関わり方に問題があるという大きな誤解にさらされます。周囲の理解がなければ、生活環境の改善に向かわないばかりか、本人、家族そして関係者が、誤って傷つけられてしまうのです。

発達障害として示される個々の特性は、見方を変えれば素晴らしい宝物になります。彼らが示す、純粋さ、感受性の高さ、機転のよさ、フットワークのよさ、興味関心における積極性の高さ、驚くほどの記憶力と、全く新しい視点から生まれるユニークさなど・・・、思い返してみてください。周囲の正しい理解と応援で、きらりと光る特性がきっとあるはずだと、私たちは考えています。

発達障害・グレーゾーンの生徒が通いやすい高校とは?

中学を卒業して居場所がなくなることに不安を感じてしまう生徒や、その保護者の方がたくさんいらっしゃいます。
発達障害・グレーゾーンの生徒の進路選びにはいくつか難しい点があります。

  • 興味のないこと集中するのが苦手(刺激に過敏に反応してしまう)
  • 新しい環境(場所)、人、グループに慣れるのに時間がかかる(不安が勝ってしまう)
  • 聞く、話す、読む、書く、計算する、推察する、のどれか一つもしくは複数が苦手

上記のような傾向に加えて、早起きが苦手だったりするお子さんが実際にたくさんいます。

そのようなお子さんが通いやすい高校は、

  1. その子に合った対応をしてもらえる
  2. 卒業に必要なレポートの提出にも、個別にサポート対応ができる
  3. スクーリングは自分のペースで、遠隔地ではなく通い慣れた教室で卒業まで完結できる

と言うことができます。

発達障害を理解し、支える。

発達障害を支えるということは、発達障害の短所として抽出されがちな特性を、長所に変えていく作業でもあります。
その特性をなくすことをゴールとするのではなく、その特性により、生活が豊かになるような工夫をし続けることです。

なぜうちの子は●●●●●●なの?

  • 「なぜ、親の言うことを聞かないの?」
  • 「なぜ、時間を守れないの?」
  • 「なぜ、約束を守れないの?」
  • 「なぜ、ゲームばかりするの?」
  • 「なぜ、片付けができないの?」
  • 「なぜ、口ごたえばかりするの?」
  • 「なぜ、忘れ物ばかりするの?」
  • 「なぜ、トラブルばかり起こすの?」

お子さんに当てはまることはありませんか?子どもの成長に不安を感じたことがある保護者の方はたくさんいらっしゃいます。大切なのは、お子さんの“苦手”が、範囲内のことなのか、それとも、範囲からはみ出しているのかを知ること、そして、その特性とうまく向き合っていくことです。

松陰高等学校 高松校・丸亀校は、子どもの能力を客観的な数値で知ることができる知能検査「WISC-IV(ウイスク4)」を取り入れ、香川県内の学校の先生やカウンセラーの方と連携した無料セミナーや啓発活動を四国で先駆けて行っています。通常、「WISC-IV(ウイスク4)」の検査結果の解釈は、専門知識をもつ検査員によって実施されます。ただ、検査結果の見方とその活用は、経験がないとなかなか難しいとされています。当校には、「WISC-IV(ウイスク4)」を活用し、のべ700人を超える子ども達をみてきた「心のケア」ができる心理士・カウンセラーが在籍しています。

「WISC-IV(ウイスク4)」でわかる4つの指標

「WISC-IV(ウイスク4)」についてご紹介します。「WISC-IV検査」は、世界各地で使用され70年以上の歴史を持つ検査です。全体的な知的能力や記憶・処理に関する能力を測るテストとして、国際的にもその信頼性が高く評価されています。
誤解せずに聞いていただきたいのは、「WISC-IV(ウイスク4)」の結果は子どもの発達状況や、得意不得意を把握する手段であり、その結果だけで発達障害の診断をするものでは決してありません。

「WISC-IV(ウイスク4)検査」で分かる4つの指標

言語理解(Verbal Comprehension Index: VCI)
言語の理解力や表現力、言語による推理力や思考力、語彙力など、言葉にまつわる知能。

知覚推理(Perceptual Reasoning Index: PRI)
空間の認知や目でみたものを理解し、表現する力。

ワーキングメモリー(Working Memory Index: WMI)
注意力や集中力のほか複数の情報を同時に処理したり、順序立てて処理したりする力。

処理速度(Processing Speed Index: PSI)
どれぐらい早く物事を処理できるのかという能力。

このような指標が分かるからといって、具体的にどのようなことが分かるのでしょうか?
実は「WISC-IV(ウイスク4)」の結果を専門的な知識と経験を持った人が見れば、その子にとって『どういう教え方がベストなのか?』という方向性を知ることができます

「みんなと同じようにしたいけど、どうしたらいいのか分からない。」

これは、教育の現場で日常的に起こっていることなのです。
では、どうしたらわかるようになるのでしょう。

「WISC-IV(ウイスク4)」の活用事例
~中1の秋から不登校のA君の場合~

A君は中1の秋から不登校になり、放課後登校や保健室登校も困難で、外出もほとんどしていませんでした。
保護者の方の理解のもと、中2の終わりに「WISC-IV(ウイスク4)」検査を自宅でおこなうことにしました。

その結果は下記になります。

FSIQ(全検査) 92
VCI(言語理解) 93
PRI(知覚推理) 89
WMI(ワーキングメモリ) 85
PSI(処理速度) 110

下位検査という詳細なものもありますが、ここではオープンにできないので上記5つの数値でご説明いたします。

場の空気や感情を読むのが苦手

A君の「WISC-IV(ウイスク4)」検査の結果は、PRI(知覚推理) 89という数値でした。
PRI(知覚推理)の読み取りは色々な角度からできます。

WISC-IVの検査結果から A君は、

  • その場の空気を読むことが苦手
  • 他人の気持ちの推察が苦手

ということが分かりました。

聴覚での短期記憶はあまり得意ではないのですが、視覚での短期記憶は平均値を上回っています。そして、平均値から少し劣りますが、長期記憶も問題ないレベルにあります。

苦手を得意で補うトレーニングで克服

対策として、A君が苦手とすることから派生して起こりうる問題をケースバイケースに洗い出しテンプレート化しました。それぞれのケースでどのように対応するのがよいか、「知識」として入れ込む作業をじっくり時間をかけて行いました。

具体的に言うと

  • 一般に、世の中にはどういう場面があるか
  • その場面一つひとつで、どういう行動をとればいいのか
  • その場面一つひとつで、周りの人の感情はどうなのか

ということへの対処方法を知識として入れ込むのです。

その結果、どうなったのでしょうか?

PRI(知覚推理)があまり高くはなく、中学1年生の秋から不登校だったA君ですが、短期記憶を忘れる前に定着させるよう促すことで、さまざま場面に適応することができるようになりました。とあるチームのキャプテンまで担うようになりました。
つまり、家から出れるようになり人とコミュニケーションをとるだけの自信を身に付けることができたのです。
このように「WISC-IV(ウイスク4)」を使って、その子が何に課題を抱えているのかを科学的に解析し、課題の解決のための手法を、本人に無理のないようなかたちで作り当てはめていきます。

弱い分野の能力は、トレーニングで改善・カバーできる

行動が遅いのは、記憶しながら作業するのが苦手なだけ。その特性は、時間をかけて物事を丁寧に進められるということ。
モノを片付けたり、見つけたりするのが下手なのは、空間認識が苦手なだけ。どこに片付ければいいのかという判断ができなかったり、モノを探すときは視界に入っていても、そのモノに焦点を合わせることが苦手だということを周囲が理解していれば、時間をかけて見守り、トレーニングで改善することも可能です。
これまでの見方を変え、「WISC-IV(ウイスク4)」の検査結果をもとに科学的なアプローチを取り入れることで、一方的に怒ってしまったり、諦めてしまっていたりすることに一緒に取り組むことができます。

いまできていることを認めあえる、松陰高等学校

松陰高等学校 高松校・丸亀校には、さまざまな生徒が通い、それぞれの個性や特性を尊重し学べる環境があります。希望者には「WISC-IV(ウイスク4)」を行い、その検査結果を元に、お子さんにとってのベストな教育環境や指導方針を組み立てています。
「発達障害」を「その子のもつ大切な個性」と考えています。
どんな子どもにもさまざまな特性があります。その特性は、子どもを苦しめるだけではなく、使い方を変えれば
大きな武器になるのです。「WISC-IV(ウイスク4)」は、その子の得意なこと、苦手なことを知るための検査ですが、いま得意なことが見当たらなくてもまったく問題ありません。松陰高等学校 高松校・丸亀校には発達障害に関する正しい理解と知識を持った教員がいます。

専門知識を持ったカウンセラー・先生がサポート

「WISC-IV(ウイスク4)」検査は、子どもの発達障害の有無を調べる検査ではありません。その子は、何は得意で、何が苦手なのかを判断する検査なのです。検査結果を正しく理解し、活用できる実績と経験があれば、「苦手なところを得意なところでフォローする方法」「苦手なところを楽しみながらトレーニングする方法」を見つけ出し、子どもの未来の可能性を広げることができます。

長年の間、小中学校の不登校児や行き渋りの子、引きこもりの子の対応をしてきました。のべ700人を超えるWISC-IV(ウイスク4)」の検査実績は、多くのお子さんの学校生活や進路選択に生かされています。

現在、発達障害や学習障害、グレーゾーン、HSC(ハイパーセンシティブチルドレン)、うつ病や双極性障害、統合失調症、パーソナリティ障害 など、心の病気がある子どものサポートなど、通信制高校に求められるニーズは高まっています。

松陰高等学校 高松校・丸亀校には、さまざまな悩みや障害をもつ生徒が通っています。発達障害のほかにも、小中学校でいじめにあい登校が困難になってしまった生徒、頑張ってもなかなか学習結果が出ない生徒、コミュニケーションがうまく取れない生徒たち。今までうまくいかなかった子が元気になり、笑顔を見せてくれるようになる姿をたくさん見てきました。

私も実際に不登校経験があります。痛みを知っているから、人一倍、人の痛みに敏感で相手の心を思いやることができる、生徒には自信を持ってそう言えます。

すべての教職員はあなたの成長を急かしません。一人ひとりの生徒をしっかり見守ります。大丈夫、そのままのキミでいいんだよ。

松陰高等学校 高松校・丸亀校 心理士/カウンセラー 車重徳(くるま しげのり)